
しゃれたコインケースを作ろう
ホタテのような形をした小銭入れの製作手順と無料型紙データです。
小銭入れの作り方は簡単ですが、曲線が多いので刃物とヤスリを上手に使えば綺麗にできます。
一番難しそうなかぶせ(蓋)の裏になる革は円の組み合わせなので補助線が型紙に入っています。
型紙に書かれている「R」(アール)は半径になります。
「R7.5」は半径7.5mm、直径15mmとなります。
アールはよく使われる単位なので覚えておくと良いです。
ホタテ型コインケースの作り方
コインケースの無料型紙を準備
まずはコインケースの無料型紙をダウンロードして印刷してください。
印刷時に縮小されていないか注意してください。

型紙を切り出すとこのようになります。
赤い線が入った部分は小銭請けになる部分です。
革の荒裁ち

今回使用する革は2mm厚、ヌメ革タンローです。
革の曲がる方向があるのでご注意ください。
好きな色に革を染色します

今回も革用の染料を使って金茶に染めました。
スポンジを使っての染色ですが、ハケよりは染めやすい印象です。
小銭が入る部分を床磨き
これはやらなくてもいいと思いますが、床磨きをします。
使用しているうちに小銭で床が荒れますが、完成した時の気分も良いので今回は床を磨いておきます。
型紙に合わせて革を本裁ち

小銭入れの本裁ちをしました。
曲線が多いので少し難しいです。

上蓋の内側になる部分は小さいアールなので革包丁で切る時はしっかりと砥いでおかないと切りにくくなります。
自信が無い場合はヤスリでたっぷり削るつもりで大まかに切ってからサンドペーパーやスポンジヤスリなどで形を整えます。

小銭部分の小さい曲面はこのようにして削ります。
サンドペーパーでも同じ方法で削ります。
手縫い後に磨けない部分は先にコバ磨きをしておきます
内装パーツは手縫い後だとコバ磨きができないので先にコバ磨きをしておきます。
今回は焦げ茶の染料を使ってコバを染めて磨いています。
今回の染色はグラデーションではないので濃いめにコバを染めています。
革同士を張り合わせる部分に接着剤を塗る

接着剤を使って接着します。
コインケースっぽくなってきました。
今回はゴムのりを使用して接着してみましたが、接着力が弱すぎてのちに失敗します。
スリーダインなど強力な接着剤で止めるのが良いです。
時間が無かったので完全に乾いていない状態で本裁ちをしたため、内装パーツが縮んでしまい大きさにも違いが出てしまいました。

ステッチンググルーバーで穴を開けるガイドラインを決めるときに邪魔になるので、余分な部分は簡単に切り落としておきます。
手縫い用に2本菱目打ちで穴あけ

まずは革にガイドラインを引いていきます。
ガイドラインを引くのは片面だけで十分です。
曲面なので2本菱目を軽くあてて穴の位置を確認していきます。
縫い代は5mmで5mmピッチの菱目打ちを使用しています。
縫い代が5mmというのは理由があり、後ほど説明しますが内装、外装の形状がぴったりと一致していれば4mmでも3mmでも構いません。
ですが、曲線だらけなのでピッタリと一致させて切るのは難しいと思います。
そのため革を貼り合わせてから切断するので、余白として1mm余裕をみています。
縫い始めと縫い終わりは目打ちで穴を開けています。

改造した菱ギリは穴が小さいので菱ギリで穴を開けてもいいのですが、扱いが難しいです。
そのため今回は2本目の菱目打ちを使用して穴を開けていきました。
手縫い

手縫いが終わりました。
いつものビニモ MBTで色はベージュを使用しています。
ゴムハンマーを使用して糸を通した部分を叩いて穴を埋めました。
判りにくいかもしれませんが、菱目打ちの穴が目立たなくなるのでお勧めの技術です。
外周部分のコバの形を整える

今回はベルトサンダーを使って手っ取り早くコバを揃えています。
Youtubeで見たのですが、縫い代を5mmに取った場合は革包丁でぐるっと1周切ってしまうのも手です。
仕上げのコバ磨き

染料の焦げ茶を使って濃く塗ったためほぼ黒になりました。
コバを染めた後にコバを磨きました。
ニートフットオイルを塗る

いつものようにニートフットオイルを布に付けて全体的に塗っていきます。
ニートフットオイルを塗ると革は少し柔らかくなるので、曲がる部分には多くオイルが入る用に意識しながら添加していきます。
色移りをしないように色止めをする

革を染めたので色止めの艶ありを塗りました。
今回使用したレザーコートをスポンジに含ませてから塗りました。
塗った後のスポンジは水洗いしないと硬くなりますので、使用後はすぐに水洗いしましょう。
可塑性を利用して形を整える
革を水に濡らすと革は柔らかくなり変形しやすくなります。
乾くとその状態を維持して硬くなる性質の事を「可塑性」といいます。
柔らかくなった革を希望の形状に整えてから乾かすことで乾いた後も同じ形が維持されています。
今回製作したコインケースは可塑性を利用して形を変えます。

トレーなどに水を入れて革全体を水にサッと浸します。
長時間浸す必要は無く、小銭が入る部分も水が入ればよいです。