革を曲線に切る方法

作品を作ってみよう技術系
革の跡に合わせて切る


曲線がうまく切れない

レザークラフトを初めてから、ある程度経験を積むと曲線を上手に切れないと悩むようになるかもしれません。

実際私がそうでした。

いろいろなサイトを見ると曲線に切る時は「革を動かして切る」というのをよく見かけます。

実際にやってみるのですが、そもそも革が動かない。

なんで?と思いながら試行錯誤しました。

結論から言いますと最大のコツは革包丁をしっかり砥ぐと曲線も自由自在に切れるようになります。

道具の手入れは大事だなと思ったものですが、曲線に切るコツも含めて説明していきたいと思います。


革を滑らかな曲線に切りたい

カード入れ

作品を作る時にデザイン上、革を曲線で切りたいことはよくあります。


カードケース

特に多いのが角の部分です。

次に多いのがキャッシュカードや名刺などを取りやすくするために部分的に凹んだ状態などがあります。

あとは曲線を組み合わせたデザインといったところでしょうか。


外カーブと内カーブ

聞き慣れないかもしれませんが、「外カーブ」「内カーブ」という言葉があります。


外カーブと内カーブ

青い部分が革と思ってください。


気にしてみると多くのところで使われています。

外カーブに切るのに適した刃物、内カーブに切るのに適した刃物。

それぞれ使い分けると、失敗せず綺麗にできます。


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多少荒く切ってもいい?

外カーブを切る時、本来の切りたいラインに近い形で切ってから、仕上げに サンドペーパー を使えば短い曲線も長いカーブも簡単にできます。

革包丁 の 押切り で切った直線の組み合わせでカーブっぽくなっていたとしても サンドペーパー でカーブを均せば綺麗な曲線になります。

つまり、おおまかに切ってから サンドペーパー で微調整するだけなので簡単です。


外カーブに切るかんたんな方法

何度かに分割して切り、最後はヤスリで処理するだけです。

角を曲線に切る

曲線の大きさによりますが、大きな曲線でしたら切る回数を増やすだけです。

画像に切る順番を番号で書いています。

1番目は45°になるように、円弧の中心を決めるように切ります。

2番と3番は同じことになりますが、1番目に切った部分(円弧の中心部分)から端までの中間になる部分を切ります。

さらに細かく切りたいときは切った部分の中央を切ることを意識すると円弧が乱れにくくなります。

仮に2番、1番、3番という順番で切ると、慣れないうちは2番のラインと3番のラインがズレて楕円のようになってしまいます。

また、左右対称に切るようにしないと円弧も乱れやすくなります。


ざっくりと切る

画像は 革包丁 で3回切っただけで切り口も直線の組み合わせなので綺麗なカーブになっていません。


ヤスリで整える

荒めの ヤスリ や サンドペーパー などで コバ を削って整えます。


コバを水で磨く

ある程度削ったら コバ に水を軽くつけて磨きます。

すると、 コバ が圧縮されて硬くなるので細目の サンドペーパー で仕上げやすくなります。

あとは納得するまで繰り返すと綺麗なカーブができあがります。

ヤスリの手間を減らそうと思ったら細かく切るだけで良いので簡単ですよ!


内カーブに切るかんたんな方法

基本的には内カーブも外カーブと同じです。

刃を立てて少しづつ動かし、革をメインに動かします

ただ、内カーブに切る場合は内輪差が出ますので刃先が鋭利な方が綺麗に切りやすいです。

カーブを切る時の刃の幅

上は 革包丁 で、下は カッター と仮定しています。

革に接触している面積が違うことがわかると思います。

接触している面積が大きいと内輪差から小さいカーブを切るのが難しくなります

そのため、革包丁 より カッター や デザインナイフ の方が切りやすくなります。


片刃のナイフ

小さいカーブを切る時に時々使用してる片刃のナイフです。


片刃のナイフ

刃の角度が カッター より鋭角で、革を切る面が平面になっています。

革包丁 の片刃とは逆に刃が付いています。

しっかりと刃は砥いでいるので小さい内カーブを切る時に綺麗に切れます。

抜き身の状態なので滑ってケガをしないように自分で革を巻きました


ナイフで内カーブを切る
ナイフで内カーブを切ったあと

このような感じに切れます。


革包丁で外カーブを切る方法

カーブに切っている途中

革包丁 で外カーブを切る時、内カーブを切る時と同様 革包丁 を動かすより革を動かした方が切りやすいです。


革が動かしにくいなら革包丁がきちんと研がれていますか?

革包丁の切れ味が悪いと革は動かしにくく、革包丁を持つ手も力を入れることになります。


カーブを切る時は下敷きが硬いより柔らかいほうが良いですので ゴム板 を使用しています。

これは刃こぼれしないようにするためです。


肘を固定して切る

まずは 革包丁 を切りやすいように固定します

肘に近い部分を机の端などに当ててぶれないようにします。

肘に近い部分にする理由は、肘の皺があるからか、手前に腕を引く時は滑らかに引けるからです。

革包丁の刃先ですが、革包丁は固定に近く、 革包丁 をほんの少しづつ手前に引きながら切ります

そのため、革を引き切りをすることになります。


引き切りというのは野菜を切る包丁でも同じですが、刃物を上から押さえて切るより手前に引きながら切ることで楽に切れる方法です。

皆さん自然とやっていることだと思います。

刺身包丁で刺身を切る時は刃もの全体を使って切り身を切っていますよね。

あれと同じです。

刃は既に斜めに構えているので、ほんの僅かに革包丁を引くことで同じ効果になります。


主に大きく動かすのは革の方で、左手で切りたい方向に革を回転させるように動かしていきます。


革包丁をきっちりと砥いでから切る場合、革包丁はほぼ動かさなくても革を動かすだけで切れていきます。

切れ味が少し落ちると革包丁を少し引けば切れます。

切れ味が悪いときは革包丁を引いても革を動かしても切れません。


革包丁 の切れ味が悪くて大きく動かすようにして切る場合は、脇を締めるように腕を動かす形になります。

同時に手前に腕を引き、腕の動きがカーブを描くように動かすことになります。

その動かし方だと、手前に引きつつ角度を付けていくので腕の動かし方が複雑になりますので、思った形状にカーブを切るのが難しくなります。

そのため、刃をよく切れるようにしっかり砥いでシンプルに 革包丁 を持った腕は引くだけ、革を持った手は革を回すだけ


外カーブに切った

この方が綺麗にかんたんに切れます。


しつこいようですが、この方法でもうまく切れない場合は、 革包丁 が切れにくくなっている可能性が高いですので、刃をしっかりと砥いでおいてください


カーブの印をかんたんに付ける

簡単な外カーブの印をつける

小さいカーブでしたら硬貨で印をつけます。

大きめのカーブならコップを使ったり、丸い皿なども使えます。

工夫次第で普段の生活で使われているものも利用できます


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