はじめに
レザークラフトで言う「床」というのは革の裏側のことで、「トコ」と読みます。
さらにレザークラフトではザラザラした革の裏側をツルツルにすることを床磨きといいます。
レザークラフトでは床を磨くと見た目や手触りが良くなるのでトコを磨く事もあります。
床がザラザラと毛羽立っていても問題ないなら必要ない作業です。
例えば、革を重ね合わせて銀面しか見えない場合はトコ磨きは必要はありません。
床がむき出しの作品の場合はどのような作品にしたいかによってトコ磨きを行います。
トコ磨き
この3つのどれかと、あとは磨く道具としてガラス板を使用して磨きます。
トコフィニッシュ、トコノール、CMCの使い方は簡単で指に付けて床面に塗り広げます。
床面に塗ったら乾く前にガラス板で擦ることで磨いていきます。
トコフィニッシュはトコノールに比べてベタベタしていないので手早く塗り広げられます。
トコフィニッシュ、トコノール、CMCはどれも大きく変わりません。
ですが、トコノールはトコフィニッシュよりワックス成分が多い気がします。
慣れないうちは色も白く塗った個所が判るトコノールがおすすめです。
ハケで染めた革でトコ磨きをしてみる
こちらで染めた革を使用します。
腹に近い部分のようで、B級の安い革なので 床 がずいぶん荒れています。
横から見るとこんな感じです。
かなり毛羽立ってます。
今回トコ磨きにはトコフィニッシュを使用します。
まずは指でトコフィニッシュを塗ります。
ガラス板をトコに擦りつけて磨いていきます。
擦る部分はガラス板の端の曲面を使用します。
ある程度力を入れてガラス板を擦りますが、数回磨けば力加減もわかってくると思います。
トコ磨きをしてみましたがあまり変わっていません。
床 が荒れすぎているとダメなようです。
トコフィニッシュが乾燥した状態です。
あまり荒れていない部分は磨けています。
グラデーションに染めた革でトコ磨きをしてみる
次にこちらで染めた革を使用します。
床磨き前の状態です。
このようにトコが毛羽立っています。
先ほどと同じ要領でトコフィニッシュを指で塗っていきます。
ガラス板でトコを擦って磨きます。
今回はそんなに荒れていないので、力を入れなくてもすぐに艶が出てきます。
毛羽立った部分が抑えられて艶が出ています。
トコフィニッシュが乾燥した後です。
艶が維持されています。
床が荒れていない革で床磨き
幅が広い革を使用しますので判りやすくなると思いますが、やることは同じです。
トコが荒れていない、よくある革を使用してトコ磨きをします。
まずはトコフィニッシュを指で塗ります。
ガラス板でトコを磨いていきます。
毛羽立ちが抑えられて綺麗に磨けました。
トコフィニッシュが乾燥した後です。
磨く時のガラス板の力加減かもしれませんが、少し硬くなっています。
もし 銀面 に付いてしまったら
もし 銀面 にトコフィニッシュやトコノールがついてしまったらすぐに拭き取りましょう。
画像のように革に染みてしまった後で拭き取ると・・・
このようなシミになってしまいます。
気が付いたらすぐに拭き取るようにしましょう。
一度シミになったらシミを取ることは無理っぽいです。
トコノールやトコフィニッシュが銀面に付かないように注意するしかありません。
いくつかの革を使って組み合わせる作品を作る時は特に銀面にトコノールやトコフィニッシュが付きやすくなるので注意が必要です。
ちなみに、普通は銀面にトコノールやトコフィニッシュを塗って磨くことはありません。
まとめ
床 が元々荒れすぎている部分は磨いても綺麗にならないようです。
綺麗にトコを磨けるかどうかは革の質や部位によっても変わってきます。
綺麗に 床 を磨く必要がある作品を作る場合、切り出す革の床にも注意したいですね。
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