はじめに
レザークラフトでは型紙は非常に重要な役割をします。
型紙が無いと革製品は作れないといっても過言ではありません。
「革の財布を作りたいけど型紙が無い」
「キーケースを作りたいけど型紙が無い」
レザークラフトの初心者は、まず練習用の型紙は手に入れようとすると思います。
実際私もレザークラフトを始めた当初は無料の型紙をよく探していました。
ですが、作りたい作品の型紙は手に入りにくいと思います。
それはレザークラフト用の型紙を無料で提供しているサイトは少ないからです。
ではどうすればいいか?
型紙を自分で作るしかありません。
しかし、何も知らない状態から型紙を作るのは難易度が高いです。
使用する革の厚みは何mmなのか?
縫い代は何mmにするのか?
接着剤はどこまで塗るのか?
スナップボタンの取付穴は何mmでどこに穴を開けるのか?
型紙が無い状態で作品を作るのは初心者にはほぼ無理だと思います。
このページでは簡単ですがおおまかな型紙の作り方を説明していきます。
自作する型紙
型紙を手に入れていくつか作品を作っていくと、なんとなく判る事があります。
型紙にはどのような情報があるといいのか。
なんとなく判ってきたらとりあえず自作してみます。
当然失敗もしますが、なんどもやり直していきます。
そして型紙は完成していきます。
型紙づくりはエラー&トライをしながら作っていきます。
慣れないうちは自作の型紙を元に作品を作ってみては失敗し、型紙を修正して・・・
この繰り返しで型紙製作に慣れていきます。
私はこの流れが手っ取り早く覚えるのかな~と思っています。
というより、私がこのパターンで覚えました。
慣れてくると注意しなくてはいけない点が分かるようになります。
そして新しい作品を作る時にはすぐできるようになります。
私の場合は作った型紙から安い革や床革の半裁を使ってテスト製作しています。
試作をしながら型紙の精度を上げて本番に臨んでいます。
いくつかの無料の型紙データと作り方を載せていますので参考にしてみてください。
型紙を作るのに必要な道具
厚紙、 カッター 、 ハサミ 、 定規 、 カッターマット
ある程度の厚みがある紙の方が良いです。
型紙を切る道具は私は使い分けていて、直線は カッター で切り、曲線は ハサミで切っています。
曲線はハサミで少しづつ慎重に切れるからです。
直線はカッターで定規をあてて切っています。
全てハサミで切るならカッターマットは必要ありません。
型紙にする紙の厚みは厚い方が良い
紙はなるべく厚いほうがいいです。
コピー用紙のようなペラペラの薄い紙だと革に型を写す時にめくれてしまうなど具合が悪いです。
型紙を手書きで作るなら
手書きの型紙でよく使用されているのは工作用の厚紙で10mm毎に線が入っているタイプです。
いわゆる方眼工作紙と呼ばれるものです。
目盛りがあると手書きで型紙を作る時に目安になりますので便利です。
A4サイズでも良いのですが、少し大きいサイズがおすすめです。
コピー用紙を印刷して型紙にしたい場合
コピー用紙を型紙として使用する方法はこちらのページにまとめましたのでご覧ください。
型紙を作る時の考え方
型紙は革製品の設計図となりますので、型紙には作品を作るのに必要な情報を書いていきます。
革を型紙のサイズに切り出し、どの位置に穴を開け、どの範囲に接着剤を使い、どの部分に糸を通すか。
理想は制作に関する全ての情報を型紙 に全て書き込むのが良いです。
ごちゃごちゃした型紙になりますがそうすることで、1年後友人から「同じものが欲しい!」
と言われたときに作り方を忘れてしまっていても型紙に書いてあれば問題なく同じものが作れるからです。
型紙の作り方は人によって変わってくる部分もあります。
どこまで型紙に情報を詰め込んで製作をするかは人それぞれです。
型紙のデータを作る方法
基本的には2通りあり、PCを使ってイラストレーターやCADで型紙を作る場合と手書きで作る場合です。
最終的には型紙ができればいいのでお好みに合わせればいいと思います。
私の場合、はじめは頭の中でほしい作品をイメージします。
次にコピー用紙にイメージを描いてイメージを固めていきます。
そして革のサイズや厚み、余白など計算しながら詰めていきます。
ある程度情報が集まったところでPCでサイズを確認し、修正しながら作っています。
型紙に必要な情報
作品を作るのには
- 革を切るライン。
- 接着剤を塗る場所と範囲。
- 手縫をするための糸を通す穴の位置。
この3点はすぐにイメージができるようになってくると思います。
ですが、レザークラフトは立体的なものになるのでそれだけでは足りないこともあります。
ベルトやカブセを付けるとき、円周を計算してサイズを求める方法も知っておく必要があります。
半径の円周を求める
これは以前練習用に作ったタバコケースの蓋になるカブセ部分です。
左のように角ばったカブセを作る場合は革の厚みを考慮して1~2mm程度長くするだけです。
ですが、右のように丸まったカブセを作る時はそうはいきません。
革がどれだけの長さが必要になるのか円周を計算する必要があります。
いわゆる3.14です。
子供のころに学校で勉強した直径の外周を求める、円周の求め方の計算式です。
円周の求め方は直径×3.14です。
タバコケースの場合、箱の厚みが23mmあります。
そのまま計算すると直径が23mmになり、23mm×3.14=円周は72.22mmとなります。
求めたいのは半径なので72.22mmの半分、36.11mmが半径の外周となります。
この計算方法は作った作品の「中に入れる物のサイズ」が基準となります。
つまり床面が基準になります。
PCで型紙のデジタルデータを作る
あまりない作り方かと思いますが、初めて型紙を作る時はパワーポイントがお勧めです。
他にもCADやInkscapeなど無料のアプリで作っていくのが良いと思います。
幸いにも私は古いですがイラストレーターを持っているのでイラストレーターで作っています。
アナログに手書きで作る
鉛筆で線を描き、書いた線に沿って切り出します。
ですが、曲線などは書くのが難しい場合があります。
そんな時は手軽に曲線が書ける特殊な形状をした定規を使用するのがおすすめです。
青い曲線だらけの定規は雲形定規といいます。
雲形定規には様々な形状がありますのでお好みを探してみてください。
また、半分だけ書いた紙を切り出し、反転することで左右対象にする方法もあります。
私は一見簡単そうですが、手書きで型紙を作るのは実は難しいのではないかと考えています。
慣れてしまえば簡単なのかもしれません。
しかし、どこに糸を通すか、どこに接着剤を塗るのか、どこの革を盛り上げるのか。
イメージがしっかりと頭の中でできないとフリーハンドで型紙を作れないのではと思います。
慣れかもしれませんが初心者に難しいのは間違いありません。
なので、画用紙のような厚紙に手書きで型を作っていくのは初心者にはハードルが高いと思います。
PCで作る場合も同じように必要なものを考えながら作っていきます。
ですが、PCは手軽に修正するのに適しています。
慣れないうちはPCで作るのをお勧めします。
型紙を切り出す
紙を切るのでカッターかハサミを使用します。
慣れないうちは直線部分は定規をあててカッターで切り出し、曲面はハサミで慎重に切るのがいいです。
そのうち手に入れたいのがレーザーカッターです。
実はレーザーカッターが大好きで、以前は持っていたのですが諸事情により手放しました。
レーザーカッターなら設定どおりの寸法で切ることができます。
紙ではなくアクリルで型紙を作ることも可能です。
アクリルの型紙なら革に型を写すのもいろいろ楽になります。
そのうちレーザーカッターを手に入れたいと思います。
いつか手に入れたらレビューをする予定です。
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