コバを磨いて革製品を美しく魅せる
革の作品を作った時、革の断面が気になるものです。
この断面を「コバ」といいますが、革製品を気にして見てみるとコバはどれも綺麗になっていませんか?
レザークラフトの技術のひとつにコバ磨きがあり、手間をかけることでコバが綺麗になります。
このページでは簡単ではありますが、コバを綺麗にする方法を説明します。
コバ磨きとは
コバというのは革を切った時の断面のことで、レザークラフトではコバを綺麗に磨くことで作品を綺麗に見せる技術をコバ磨き又はコバ処理といいます。
コバそのものを磨いて綺麗にする方法と、コバに顔料を塗る方法があります。
必要な道具
コバ磨きには水と布があれば磨くことができます。
他にもどのように仕上げたいかによって必要なものが出てきます。
コバを着色するなら革用の染料が必要になります。
磨いたコバを保護したいならトコノールやトコフィニッシュといった仕上げ剤が必要になります。
凹凸の無い綺麗なコバにしたいならサンドペーパーを使って均す。
コバの見た目を良くするのは簡単に出来ますが奥が深いです。
コバ磨きの手順
今回こちらの2mm厚のヌメ革を使って説明します。
基本的な工程は簡単です。
- 水を含ませる
- 布で磨く
この2工程だけです。
あとはコバをどのようにしたいかによって工程を増やしていきます。
綿棒でコバに水分を含ませる
コバに水分を含ませますが、綿棒を使用すると水分を調整しやすいので都合が良いです。
まず、綿棒に水分を含ませてコバをコロコロと転がすようにして水分を含ませます。
横にスライドするように綿棒を擦ると綿棒の繊維が付いてしまうことがあるので、綿棒は基本的に転がすものと思ってください。
帆布でコバを擦る
私は 帆布 を使用して磨いています。
コバに付けた水分が蒸発する前に布で擦って磨きます。
するとすぐにコバに艶が出てきます。
上の画像はコバに写った光の加減を見ると判りますが多少凸凹しています。
気にならなければこれでコバ磨きは終了ですが、もっときれいにしたい場合は次の工程に移ります。
紙やすりでコバ面を均す
コバを磨くと多少コバが硬くなるのでサンドペーパーで削りやすくなります。
コバ面を平らに均すのにやすり掛けをしますが、凹凸の粗さによって紙ヤスリの目の細かさも変わってきます。
100番程度と400番程度の紙やすりで木工用があれば良いかと思います。
鉄鋼用の紙やすりを使用すると紙やすりから外れた粉がコバについてしまいますので木工用の紙やすりを使用します。
あとは同じことの繰り返し
コバをやすり掛けしたあとは再び綿棒でコバに水分を与えて布で磨きます。
仕上げたコバに納得がいかなければ再びペーパー掛けして・・・と数回繰り返してコバを仕上げていきます。
コバを仕上げる他の工程
コバの仕上げ方は他にもあるので簡単に説明します。
コバの形状を丸くする
革を革包丁で切断するとコバ面は真っすぐになっているはずですので、もっと柔らかい印象にしたいときなどはコバを丸く仕上げたいこともあります。
そんな時はヘリ落としを使ってヘリを切り落としてから磨いていきます。
また、ウッドスリッカーを使うと綺麗にコバを仕上げることができます。
コバを染める
コバも銀面と同じ色に染めたい。
メリハリをつけるためにコバは黒くしたい。
そんな時は綿棒に水ではなく染料を染み込ませてコバを染めます。
染めるタイミングによって失敗することもありますので少しだけ注意が必要です。
革を染めた後で水分が多い状態ですと、コバに付けた染料がシミのようになることがありますので革はきちんと乾いた状態で作業を行います。
おすすめとしては1回水でコバを磨いてから綿棒で染めるのがおすすめです。
1度コバを磨くとコバが少し硬くなるので余分なところまで染料が染みることが無いからです。
コバに仕上げ剤を塗る
始めから水ではなくトコフィニッシュやトコノールを使用しても特に問題はありません。
注意点としては銀面に仕上げ剤が付いてしまうとシミになってしまいますので、無色より色が付いたトコノールがお勧めです。
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