菱目打ちを使用するときの下敷き

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菱目打ちで開けた穴の表


革に穴を開けるときに使用するのは菱目打ちです。

その際に下敷きとなる板があります。

その板の種類によって穴の開き方に違いが出ます。

このページではその違いを実験的したときの説明をしています。


菱目打ちを打つ時の下敷き

硬い下敷きと柔らかい下敷き

菱目打ちで穴を開けた革の裏側

同じ菱目打ちを使い下敷きを変えてトコ側から穴を開けました。

左から下敷きに使用したのが カッターマット 、黄色いゴム板、よくある黒いゴム板、コルクという順番です。

左から順番に下敷きが柔らかくなっていくにつれて盛り上がりが大きくなってきます。


菱目打ちで穴を開けた革の裏側を横から見た

横から見ると盛り上がり具合がよくわかります。


菱目打ちをこちらから使用

菱目打ちを打ち付けたトコ側は上の画像になります。

穴が一番小さいのは左のカッターマットを下敷きにした場合です。


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良い穴の形状を考える

菱目打ちで開けた穴の理想は小さくしたい。


穴が盛り上がっている場合

裏が盛り上がる場合、革がそれだけ緩んでしまった状態ではないかと思います。

そのため、糸を通そうとしたときに穴が塞がりやすく手縫いの時に「穴はどこに行った?」と探すことが多くなります。

手縫いの時に引き締めながら手縫いをしますが、引き締められた糸によって穴が広がりやすいと思います。


穴が盛り上がっていない場合

菱目打ち で穴を開けた時、革を切り開いた状態で革が緩んでいないと思います。

そのため、穴の形状は保たれていて手縫い後も穴が広がりにくいと思います。

つまりは仕上がった時の見た目にも影響してきます。


実際に下敷きを変えて比較してみる

菱目打ちを打ち付ける面は仕方がないとしても、裏面はあまり穴を大きくしたくないものです。

極端な例ではありますが、硬いカッターマットと柔らかいゴム板を使い菱目打ちでテストしてみました。


穴を開けてみました

菱目打ちで開けた穴の表

まずは表面で菱目打ちを打った後です。菱目打ちのピッチは5mmとなります。

上段が菱目打ちの下敷きがカッターマット 、下段がゴム板となります


菱目打ちで開けた穴の裏

これが裏面となります。

上段が菱目打ちの下敷きがカッターマット 、下段がゴム板となります。

カッターマットを下敷きにした方が板の硬さがあるので穴が最小になりやすいです

ゴム板 を下敷きにした場合はゴム板が柔らかい為革が撓み、 菱目打ち も打ち込みすぎてしまいます。


手縫いをしてみました

手縫いをしてみました。糸はビニモ MBTで0.3mmです。


手縫いした後の裏

こちらは表側になります。


手縫いした後の表

こちらは裏になります。

大きな差は見られませんが、よく見るとカッターマットの方が手縫い後の菱目打ちの穴が目立ちません

下敷きによって表より裏側の見栄えが変わります。


手縫いした糸を解いてみました

手縫いした糸を取った後の表

手縫いした糸を解いてみました。

表は大きな違いは見られません。


手縫いした糸を取った後の裏

裏側ですが、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、裏側もカッターマットの方が穴が小さいです

最後は好みになりますが、カッターマットを下敷きにしたほうが穴も小さく手縫いの見た目も良いと思います。

また、菱目打ちを打ち込みすぎると革を貫通し、引き抜きにくくなります。

菱目打ち をしっかり磨いて手入れをしていれば引き抜くのも楽になりますが、最悪接着剤で貼り合わせた革が剥がれてしまうこともあります。

いろいろ試して好みを探してみるのも楽しいですよ!


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