小型のラウンドファスナー用の治具
ラウンドファスナーというのは四角の3辺がファスナーになっている物です。
L型ファスナーというのは2辺がファスナーになっている物です。
ラウンドファスナーの財布やファスナーを使ったキーケースを作る時、ファスナーの取り付けはなかなか難しいものです。
革に穴を開けてファスナーを取り付けるだけなら難しくないのですが、ラウンドファスナーとなるとそうはいきません。
ファスナーが「真っすぐに」「綺麗に」取り付けるのには治具があると便利だというのは検索するとよく見かけます。
ですが、ラウンドファスナー用の治具はMDFなどの木材が多く、切ったり削ったりする作業があってなかなか大変そうです。
私もラウンドファスナー用の治具には興味がありましたが、治具を作るにも正確な治具でないと作品の完成に影響してきます。
そもそもノコギリで直線で、垂直に切る自信がありません。
テーブルソーなどの道具も持っていないのでハードルは高いです。
まぁ厚みがイロイロあるMDF、ノコギリ、テーブルソー、トリマー、トリマー用ビットは最低でも必要な道具だと思っています。
そのうち工具類はAmazonで買うと思いますが、そもそもラウンドファスナー用に治具を使った場合、どれくらいラウンドファスナーの取り付けが綺麗に出来るようになるのか、治具の有用性を知りたかったです。
なので、簡単にラウンドファスナーの治具が作れないか考えた結果ダンボールで作ることに行きつきました。
このページでは段ボールを使った簡単な治具の作り方を説明していますので参考にしてみてください。
Amazonで注文すると3mm厚の段ボール板が勝手に手に入るので、リサイクルも兼ねてそれを使用します。
段ボール製なので木製に比べると耐久性が落ちますが、丁寧に作れば数個作る程度は問題なく使えます。
サンプルはこちらのラウンドファスナータイプの小銭入れを作る時に使用できるサイズにしています。
ダンボール治具の作り方
ダンボール治具用の型紙を用意
まずは無料の型紙データを用意します。
印刷時、型紙のサイズは確認しておいてください。
革の作品を作る時と同じように厚紙が良いです。
段ボールの切断
ダンボールの切断はカッターを使用します。
ダンボールを切る際はサイズを鉛筆等で印をつけ、セロハンテープでボサボサにならないように保護してから切ります。
一度に切りきるのではなく、表面の紙、中の蛇腹、下の紙をそれぞれ別々に切るつもりで何度かカッターを往復させて切ると綺麗に切れます。
同じサイズに四角く切った段ボールを用意します。
Amazonで手に入る段ボール板は3mm厚なので同じ形状に4枚切ります。
角の外カーブはカッターより革包丁を使用すると切りやすいです。
後で整形するので、この段階では細かく切る必要はありません。
ダンボールの貼り合わせ
4枚切ったら段ボールを重ね合わせます。
段ボールを重ね合わせた部分が直角になるように注意します。
重ね合わせるのは木工ボンドや糊で十分です。
ダンボールのコバにあたる部分はセロハンテープで行いますが、角の部分はやすり掛けをするので角以外をセロハンテープを貼り付けていきます。
カット部分が歪まないように丁寧にセロハンテープを貼っていきます。
一緒に型紙も張り合わせると補強にもなります。
もっと言うとハサミで切れるくらい薄い塩ビ板やアクリル等を切って裏、表の両面に貼り付けるのも良いと思います。
ダンボールの成形
外カーブ の部分をやすりで削って形を整えます。
カーブの部分も削り終わったらセロハンテープで菊寄せの要領で簡単に貼って補強していきます。
仕上げに紙の部分が表面に出ないようにセロハンテープで全面を貼って補強します。
重ねたダンボールはスリッカーを使ったり机に擦ることで微調整はできますので、断面が斜めになっている場合は調整します。
ダンボール治具の完成
これで段ボール製の治具が完成しました。
何度も使いたい場合は厚さの調整は必要ですが、型紙から薄いビニール板やアクリル板等を型取り、ダンボールを挟み込むとさらに補強されると思います。
ダンボール治具の使い方
事前に内装になる革の床面に線を引いておきます。
線の引き方はこちらをご覧ください。
革の内装と外装は予め菱目打ちで穴を開けておきます。
線を引いたら接着剤を塗っておきます。
ダンボール治具を内装の革を固定します。
大き目のクリップなどは100均で手に入ります。
ファスナーの中心位置と革に付けた中心線を合わせて貼っていく方法もありますが、せっかくダンボール治具を用意したので違う方法でファスナーを取り付けました。
ファスナーのどちらか端を先に革に貼りつけてからグルッと1周回して取り付けます。
ファスナーの中央以外の布の部分を引っ張ると歪むので、中央部分を引っ張って取り付けます。
取り付けるときはファスナーが歪んでいないか確認しながらファスナーの縁を貼っていきます。
角の部分は菊寄せをしていきます。
今回もピンセットだと簡単に菊寄せができるのでピンセットで行いました。
ファスナーを開けて治具を取り出します。
後は穴の位置がズレないように工夫をしつつ、手縫いをするだけです。
便利アイテムを見つけたので少し紹介します。
タイタックと言うそうですが、徽章などを止めるものです。
短い針とロックする部品で構成されたもので、穴の位置を合わせて縫うような場合に使用します。
よくある方法ですと針を菱目打ちで開けた穴に刺して手縫いをしますが、針が長いので手に刺さったり糸が引っ掛かったりします。
タイタックを使用すると手に刺さる事が無く、小型なので穴の位置を合わせるのに丁度良いのでお勧めです。
とりあえず完成しましたが失敗ですね。
ファスナーが歪んでいるのと角が雑です。
まだまだ練習が必要です。
今回作った段ボール治具は3mm厚のダンボールを4枚重ねたものなので、中に挟まれる2枚分6mmを少し形状を変えて溝を作り、ファスナーが収まる様にしても良いかもしれません。
あとは革の角を丁寧に整えるのと菊寄せをもっと丁寧にする。
菱目打ちのピッチを今回5mmで行いましたが4mmの方が良いかもしれません。
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