はじめに
レザークラフトで染めるとなると基本的には全て手染めとなります。
グラデーションの染色方法はいくつかあると思いますが、どのような印象になるかは染め方で変わってくるのかなと思いテストしてみました。
9枚の革を用意し、ベースカラーは茶、グラデーションとして焦げ茶の2色に染色しました。
染色する道具はハケ、スポンジ、コットンの3種類を使用。
革の縁を濃く染色して中央は染めない方法と、革の凹凸を強調する染色方法の2種類。
結論から言いますと外周を濃く染めて中央は明るくしたいグラデーションに染色したい場合は布タンポが良いと思います。
革の起伏を生かしたグラデーションに手染めをしたい場合はコットンが良いと思います。
好みの問題もあるので一概には言えませんが、染料は少なめで染めることもできましたのでコットンはいいな~という印象です。
では早速ですが、それぞれ説明していますので一読ください。
用意した革
届いたばかりの協伸オンラインさんのヌメ革タンローの1.2mmのB級品を使用しました。
革の端を色々な場所から切り出しましたので革の質は均一ではないです。
後で分かったのですが銀面に染まりやすい部分と染まりにくい部分があるようです。
前注文した時は、そんなことは無かったので個体差だと思います。
試しにA級の2mmも購入していたので試してみたら綺麗に染まったので、1.2mmの革はグラデーション用で使用しようと思います。
今回テスト用の革は計9枚用意しました。
上からハケ染めをした段、スポンジ染めをした段、コットン染めをした段となりますので、各染色で3枚用意しました。
全て茶色に染めてからグラデーションに染めていきますが、革の質なのか判りませんが既にグラデーションがかかっています。
染色方法による印象ですが、ハケは水分がやたら多く、スポンジも水分は多め、コットンは少なめという印象です。
均一に染めようと思ったら染料を数倍に薄めて、染色しては乾かし、また染色して乾かし・・・と繰り返すと均一になると思いますが、今回は1度だけにしています。
それぞれ染料は2倍程度に薄めていますが、ある程度色が付いたら原色にして染めました。
布タンポを使ってグラデーションに染色
上の画像はグラデーションに染色する前です。
左からハケで染め、スポンジ染め、コットン染めとなります
小さい布タンポを作って焦げ茶に染めます。
「外周部分を濃くして中央部分は明るく」という方針です。
布タンポはタオルを使用し、叩くことで手染めをしていきます。
染料は最初のうちは焦げ茶を2倍程度に薄めて叩きましたが、すぐに薄めずに叩くようになりました。
一通り外周を叩いて染めました。
外周だけ叩いて染めており、中央は叩いていません。
布タンポ染色の仕上げは全体を軽く擦って色を馴染ませます。
擦る段階になると布タンポは染料をしっかり含んでいますので、そのまま擦るだけで十分染まります。
コットンを使ってグラデーションに染める
用意した革は左からハケで染め、スポンジ染め、コットン染めとなります。
コットンを使ってグラデーションに染めます。
コットンはそのままでは使いにくいので、コットンを丸めてクリップに挟んで使用します。
コットンは叩くというより擦る感じで染めました。
外周部分に擦ったのですが、布タンポと比べてかなり明暗がはっきりしています。
簡単に染まるので、染料は少量で良いです。
全体を馴染ませるために染料が染み込んだコットンを軽く擦っていきます。
布タンポの時と同じで、ある程度コットンに染料が染みていますので追加する染料は少量で良いです。
布タンポで擦るだけのグラデーション染色
最後は布タンポで擦るだけのグラデーション染色です。
用意した革は左からハケで染め、スポンジ染め、コットン染めとなります。
既に布タンポに染料が染み込んでいますので軽く擦るだけ染色されていきます。
軽く擦って染色する方法は革の凸凹を生かした染色になります。
何度も擦ることで全体的に凸の部分の色が濃く染まっていきます。
グラデーションのまとめ
まだ完全に乾いていませんが、上段から布タンポ染め、コットン染め、布タンポを擦っただけの染め。
左側の列からハケ染め、スポンジ染め、コットン染めとなります。
好みもあると思いますが、実物を見てみるとコットンで外周を染めるのは明暗がはっきりしすぎているのでコレは無いですね。
外周が濃いグラデーションは布タンポで叩くのが良いと思います。
全体的にまばらに染めたい場合は今回布タンポで擦って染めましたが、染料が少なく済むコットンが良いと思います。
今回は茶と焦げ茶の2色だけですが、明るい糸と暗い色を組み合わせるだけなので、赤系のグラデーションや青系といった染め方も良いと思います。
頑張れば虹のような染めもできると思います。
私の場合、レザークラフトを始めたころは外周を濃く染め、中央が明るいグラデーションにしていましたが、最近は革の起伏を経調したグラデーションを好んで染めています。
特に上品な印象から黄色っぽい茶が気に入っており、革の起伏を生かした染色がメインになってきています。
作る作品のデザインによって色は重要な要素を占めていると思いますので、好みのグラデーションに染色する方法を見つけるのも良いと思います。
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