革をハケで染める

作品を作ってみよう技術系
乾燥後の革


はじめに

レザークラフトでは染める作業はわりとありますが、染めなくても作品は完成します。

ヌメ革のまま作品を作ってエイジングを楽しむのであれば染める必要はありません。

何個か作品を作っていくうちに染めた革の作品を作りたくなるかもしれません。

そんな時に染めるのに必要な道具を揃える程度でも十分かと思います。


手染め

革の銀面に染料を使って染めます。

はじめて染める場合は事前に革の端材で練習することをお勧めします。

染まるのは革の表面だけです。


革の中まで染める方法があり、これを「芯通し」といいます。

芯通しは乾燥した革を染料に浸すことになるため大量の染料が必要になります。

そのため既に芯通しされた既製品を買うのがいいと思っています。

そのためここでは省きます。


作品を作っているときにコバを銀面と同じ色に染めることもあります。

染料を混ぜ合わせて調合する場合はコバを染める分も用意しておきましょう。

手染めに使用する革はヌメ革のタンニン鞣しが良いです。

染まっていない肌色の革ですね。


革を染めるのに必要な道具

ハケで染める道具

染料、ハケ、小皿、水、新聞紙、 霧吹き

といったところです。


染め方

水分を含ませる

革に霧吹き

霧吹きなどを使用して最初に軽く水分を含ませます

革はカラカラに乾燥していますので、あっという間に水分を吸い込んでしまいます。

そのまま染料で染めようとするとムラになりやすいので予め水分を少し与えておきます。

霧吹きは革に与える水分量を調節しやすいのでおすすめです。

どれくらいのペースで水分を含むのか見ておくと染めるときの参考にもなります。


染料を薄める

染料を2~3倍、初めての場合は5倍は水で薄めておいた方が良いです。

理由は単純です。

水で薄めて染めるとムラになりにくく綺麗に染めることができます

小皿に染料を入れ、水差しで薄める割合を調整するのがおすすめです。


ハケで染めていく

染め始め

ハケに薄めた染料を染み込ませて革に塗っていきます。

予め新聞紙などに軽くつけてどれくらい水分を含んでいるか、色味などを確認しながら染めていくと上手に染めやすくなります。


染め始め

何度か染めていき、希望の色味になるよう調整します。

染め始めはムラになりますので、ムラが無くなるまでしっかりと染めていきます。


水分を吸わなくなってきた革

革がたっぷり水分を含むと染料を吸い込むのに時間がかかるようになります。

革も吸い込める水分量があるので、ハケで塗ってもビチャビチャなままになる場合があります。

そんな時は一度乾燥させてから再度染めます。

染める作業と乾燥させる作業は2回、3回と複数回に分けて染めていきます

何度か経験して慣れていくと少ない水分でも上手に染めることができるようになります。

上手に染めることができれば1回の染め作業は終了します。


染め

希望の色に染まったら染めは終了です。


革を乾かす

乾燥後の革

理想は日陰での自然乾燥です。

しっかり乾燥させたいので24時間は乾かしたいです。

含ませた水分量にもよりますが、少なくとも手に持った時に湿り気を感じる様ではダメです。

早く乾燥させようとドライヤーなどで温めることもできますが、水シミになる場合もあります。

また、熱しすぎることで革が縮んだり硬くなったりしますのであまりおすすめしません。

どうしてもドライヤーを使用する場合は革が熱くなりすぎないように少しづつ調整しながら使用しましょう。


染めた後の仕上げとして色止めをする

染めたままの革は色移りしやすいです。

そのため、移りをしにくくなるように革の繊維をコーティングします。

色止めという作業で、コーティング剤を革に塗ることで革の繊維がアクリル系樹脂でコーティングされるため色移りをしにくくなります。

完全に色移りしないようにすることはできません。

ただし、コーティング後に再度染めようとするとコーティングの上から染める形になります。

そのため、革が染料を弾いてしまうのでコーティングをするタイミングはよく考えて行いましょう。


完成品

今回染めた革はキーホルダーにする予定でしたので完成品も載せておきます。

完成したキーホルダー

今回使用したコーティングは艶ありのタイプを使用しました。

悪くない仕上がりです。

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