革包丁を一定の角度で砥ぐ

技術系
一定の角度で砥ぐときの姿勢


はじめに

私の場合、もっと早い段階でやっていれば・・・と思ったのでレザークラフトを始めた時に読んでほしいかなと思います。

レザークラフトを始めた時や革包丁を砥いだことがあまりない。

そんな方や適当に砥いでいる方ほど読んでほしいです。

深くは追及していませんが、刃を一定の角度で砥ぐことで切れ味は大きく変わります。

一定の角度で砥いだつもりでも、実は砥げていない事も多いです。


このページでは安価な革包丁で説明しています。

片刃であれば豆鉋でも糸切りハサミでも同じ作業で砥ぎます


道具を使うことで簡単に一定の角度で砥ぐことも出来ます。

こちらのページで道具を使ったレビューをしていますのでご覧ください。


刃の角度

革包丁の角度はGoogle先生によると10°~20°とあります。

私は17°を意識して研いでいます。

角度が小さいと刃先が鋭利になるので、より切れやすくなります。

ですが刃が欠けやすくなるため気を付けて使用する必要があります。

逆に角度が大きいと刃は欠けにくくなりますが、切りにくくなります。

革包丁 に鋼が使われていれば強度も違ってくるので一概に言えない部分もあります。

私の場合はGoogle先生の言う10°~20°の中間プラス少し強度を持たせた17°を意識して砥いでいます。

注意しないと刃が欠けやすく、すぐ研ぐ必要がありますがスッと革が切れる感触と漉くのが楽なので、鋭角にしています。


下準備

革包丁を砥いでいると砥石はどんどん位置がズレていき砥ぎにくくなります。

それを防ぐ簡単な方法は濡らした雑巾などを砥石の下に敷くことで砥石がズレなくなります。

砥石を固定する専用の道具も販売されていますので、持っていても良いと思います。


砥石の面出し(面直し)

使っているうちに砥石は砥いだ部分が凹むため凸凹になってきます。

砥石が凸凹な状態ではきちんと砥げないので最初に平面にします。

この作業を「面出し」または「面直し」といいます。

面出しをする作業では面出しをする砥石が存在します。

溝のある面と、砥石を重ねて円を描くように擦ることで砥石の表面が削れ、砥石が平面になっていきます。


砥石と面出し用の砥石

まず砥石に鉛筆で斜線を引きます。

マジックやボールペンは砥石に浸透してしまうので鉛筆を使用しましょう。

縦、横、斜めと砥石全体に線を引きます。

線を引いたら面直し用の砥石と重ねて円を描くようにグルグル回していきます。

前後にスライドするのではなく回します。


砥石の表面に鉛筆で斜線を引く

少し砥石の表面を削りました。

砥石の面が平面になると鉛筆で書いた線が消えます。

この作業を砥石に書いた鉛筆の線が全て無くなるまで面直し用の砥石をグルグル回します。


面直しが終わった

鉛筆で書いた線がすべて消えたら砥石の表面は平面になっているはずです。

これで面出し作業は終了です。

この作業は面倒でも毎回行います。


裏出し

裏出しをする

最初は革包丁の裏側を平面にして基準面を出す作業を行います。

これを「裏出し」と言います。


裏出し途中

先端部分が砥げていませんので少し歪みが出ていることが分かります。

裏出しをすることで刃先がどれだけダメージを受けているか判ります。


裏出し終了

革包丁を使用しているうちに歪んでしまうことがありますが、裏出しをすることで歪みが取れます。

刃の先端まで砥がれる様に裏出しをしていきます。


一定の角度で研ぐ

革包丁を一定の角度で砥ぐときの姿勢

これは私のやり方なので正しいかどうかは判りませんのであしからず。

シンクの上などで砥ぐときは、シンクが歪んでいることもありますので注意が必要です。

砥石は可能な限り水平になる様に設置します。

砥石が斜めになっていると砥ぎにくいのでまな板の上に置くなど工夫します。


一定の角度で砥ぐときの姿勢

右手は革包丁の角度を一定に保つ役割をし、左手で前後にスライドして砥ぐ役割にしています。

右手は肘を90°に固定することを意識し、脇をしめて脇腹に手が当たるようにしますと角度が変わりにくくなります。

左手は砥石に対して真っすぐになるようにして前後するだけにしています。

体は必然的に砥石に対して斜め45度になります。

砥いでいると判りますが、体は結構フラフラして安定しません。

そこで膝や腰などでテーブルに少し体重をかけておくと安定します。

テーブルの高さによって上体の角度を変え、砥石の位置を調整して研ぎやすいようにします。


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荒い番手の砥石から砥いでいく

革包丁のダメージ具合によりますが、刃が欠けたりしていたら400番といった荒い番手の砥石から砥いでいきます。


一定の角度で砥ぐ

革包丁の切れ味を良くするだけでしたら1000番程度から砥いでいけばよいと思います。

砥石を細目に変えるタイミングは革包丁の刃先に「返り」ができるまで研ぎます。


革砥で砥ぐ

革砥は予め準備しておいてください。


革砥で軽く砥ぐ

砥ぎ終わった革包丁を革砥に擦ります。

この時の注意点は力を入れて押さえないことです。

革砥は柔らかいので力を入れて革包丁を押さえると革砥が歪み、砥ぐ角度が広がってしまいます。

革砥を使用するときは軽く手前に引く程度で使用します。


仕上げの鏡面

せっかく砥いだので、出来ればここまでやっておきたい作業です。

ピカピカに革包丁を磨くことで革を切る時に滑りが良くなり、革を切りやすくなりますので鏡面にしたい作業です。


ピカール

刃物を鏡面に磨くのに有名な ピカール です。

私の住む地域にあるホームセンターでは仏壇用の線香などが置いてあるところになぜか置いてありました。

要らなくなった革の トコ に ピカール を塗って刃物を擦るとピカピカになります

日本磨料工業 ピカール液(代引不可)
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試し切り

試し切りは最も楽しい作業です。

きちんと砥いでいると厚い革でもサクッと切れます。

特にカーブを切る時に革包丁と革を動かして切りますが、切れない革包丁だと革を回すことも困難です。

よく切れるように砥いだ後は革包丁を動かさなくても切れていきます。

私はこれが一番驚いた瞬間でした。

手間はかかりますが、革包丁を砥ぐのは必須の作業なので、ぜひマスターしておきたいです。


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