はじめに
レザークラフトでは刃物は大事な道具です。
そして、刃物はきちんと研がれているのと砥がれていないのでは作業効率が驚くほど違います。
かといって一定の角度で砥ぐのも素人には難しいので、一定の角度に砥げる道具を使うのが良いです。
システムナイフシャープナーとは
システムナイフシャープナーと誰でも一定の角度で刃物を研ぐことができる便利アイテムです。
素人が刃物を研ぐとき、一定の角度できっちり研ぎたいと思っても研ぐことはほぼ無理です。
やってみればわかると思いますが、目の違う砥石を変えても常に同じ角度で何百回と往復運動をするのは相当熟練した技術が必要となります。
「同じ姿勢で、同じ砥石の位置で研ぎ続ければ良いのでは?」
と思ったら大間違い!
同じ位置で研ぎ続けるとその部分が凹んできますので結局角度は変わってきます。
ひと言に砥ぐといっても砥師という職人が居るくらい非常に奥が深いです。
どこまで追い求めるかによりますが、砥いだ結果は刃物の切れ味でわかります。
レザークラフトを始めた当初は良いとしても、一度でもカッチリと研がれた刃物の切れ味を知ると、適当に研ぐことはできないと思うようになります。
商品レビュー
今回は システムナイフシャープナー を使ったレビューとなります。
私が購入した砥石については割れていたというレビューがありましたが、私の場合は割れはありませんでした。
ですが、8000番に大きな傷というか、切り出したときの傷がそのまま残っていた状態でしたので、購入については当たりはずれがあります。
仕組みはごく単純で、砥石を固定した棒が常に一定の角度になる構造になっています。
包丁やナイフ用と思いますが、革包丁でも工夫すれば使用できます。
革包丁の固定
革包丁 の場合は一工夫が必要で、今回は画像のような状態にして使用しました。
元々ついているプレートで包丁を固定しますが、しっかり固定できないので大きいクリップで固定します。
革包丁 の柄の先端にクリップが引っ掛かるように付けて 革包丁 が奥にずれ、砥ぐ角度が変わらないようにしています。
150番からの砥ぎ始め
今回は150番手から研ぎ始めます。
砥石と土台になる部分の接着が悪く速攻で剥がれてきました。
そのうち一度剥がしてきっちりと固定しようと思いますが、今回はこのまま使用します。
刃物の上に乗せてしまえば隙間もなくなるようなので、今回はこの状態で砥石を固定した棒をスライドして研いでいきます。
砥ぎ方については、砥石の一部がすり減らないよう大きくスライドさせます。
刃も一部だけ研ぎすぎて段差ができないように配慮しますので、楕円運動がよろしいかと思います。
また、通常は砥石を下にして刃物が上に来ますが、ナイフシャープナーは逆になりますので砥石に含ませた水分が飛びやすいです。
そのためこまめに水分補給をしてください。
刃の角度を17°に設定して今回カッチリ砥いでいきます。
砥いだ時に出てくる黒いものは砥糞といいます。
砥糞は必要なものなので、 砥糞も利用して砥いでいきます。
詳しくは割愛しますので調べてください。
少し砥いだ状態が上の画像ですが、刃の中央にある白っぽいラインが今回研ぐ角度となります。
刃先が削れていないという事は17°以上の角度が付いているということになります。
逆に刃先が削れているという事は17°以下になります。
つまり、今までは刃の角度は17°にきっちり砥いでるぜ!と思ったら全然違ったわけです。
角度を一定に砥げて簡単に確認できるということは素晴らしいと実感する瞬間です。
刃先の砥いだ中央部分が波打っているように見えます。
これは均一に砥げていないか、刃先の角度が均一ではないかのどちらかです。
かなり砥げてきましたが、まだ刃先が砥げていません。
砥糞が2色になっています。
鉄の部分と鋼の部分で色が違うのでこのようになるのでしょうか?
鋼が使用されている革包丁の場合、鋼の方が硬いので砥ぐときに力を入れすぎると僅かに反った状態で研がれるようなので、あまり力を入れないように砥いでいきます。
あと少しです。ここまで砥ぐのに2時間ほどかかっています。
途中砥石に水分補充が足りなくて砥糞が固まり、シャリシャリとした音が無くなり砥いでいる感が無くなりましたので水分補給は大事です。
そうなってしまうとダイヤモンドプレートを使用して砥石の表面を平に均しながらの作業となりますのでかえって時間がかかってしまいます。
あと少しという気もしますが、今回は150番で砥ぐのはここまでにしておきます。
刃先がガタガタになっていますが、これはもう少し砥ぐのと裏面もきっちり研ぐことで無くなります。
今回はそこまで追い込みません。
800番
800番で砥いだ状態。
1500番
1500番で砥いだ状態。
3000番
3000番で砥いだ状態。
映り込みが出てきました。
6000番
6000番で砥いだ状態。
8000番
8000番で砥いだ状態。
10000番
10000番で砥いだ状態。
これだけ映り込んでいます。
革砥
画像では番手の違いはよく判らないかもしれませんが、次の段階として 革砥 で仕上げていきます。
刃の幅がそれなりにあるので今回はこのビッグサイズを使用します。
革砥 後の映り込み。
別角度。
ピカール
ピカール で磨いて終了です。
天井がちょっと見えています。
システムナイフシャープナー使用後の感想
これだけ革を切りやすくなったよ!
というのは残念ながら画像では伝えられませんが切れ味は抜群に良くなりました。
元々も悪くはなかったのですが、カーブを切るのが非常に楽。
楽というか、別物になりました。
はじめて 革包丁 で革を切った時の切れ味は一体何だったのかと・・・
コピー用紙を縦に持ち、紙の上端から10mm程度浮かした状態で 革包丁 を落とすと紙が切れていきます。
刃先がガタガタな部分もあり、切りにくい部分もあるので今後追い込んでいけばすごいことなりそうでちょっと楽しみです。
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