レザークラフトで使用するマルチステッチンググルーバー

道具
マルチステッチンググルーバー
先端を交換することで用途によって使い分けることができる

マルチステッチンググルーバーとは

レザークラフトでは革に糸を通す穴を事前に開けておきます。

その際に目印が無いと真っすぐに穴を開けるのも難しいです。

マルチステッチンググルーバーは先端部分を交換することができます。

革にガイドラインを引いたり、線状に溝を掘ったり、コバの角のヘリを落としたり。

部品を交換することで色々なことができます。


溝を掘ってどうするかというと、2つの目的があります。

  • 菱目打ちを打つ位置を決めるためガイドラインを引く。
  • 作品を使用するうちに摩耗しないように糸を革に埋めやすくする。


マルチステッチンググルーバーはいくつかの道具の代用として使用できます。

溝を掘る、ガイドラインを引く、ヘリ落とし。

私が購入したマルチステッチンググルーバーのヘリ落とし用の刃は刃が付いていなかったため使用していません。

また、ガイドラインを引く時によく使用していましたが現在は小型のデバイザーをメインで使用しています。

ガイドラインの引き方についてはこちらにまとめましたのでご覧ください。


使用方法

先端の部品を交換することで

  • 溝彫り
  • 溝をつける
  • ヘリ落とし 0.8mm、1.0mm、1.2mm

といった作業が出来ます。


マルチステッチンググルーバーで引いた溝の例

左から溝をつける、ディバイダー、溝彫りとなります。

溝彫りは表面を削り取るのでビローンと削れたものが出てきます。


マルチステッチンググルーバーの先端部分で溝を掘るタイプ

上の画像は先端部分を拡大した画像ですが先端に穴が開いています。

この穴には刃が付いており、革をなぞることで革の銀面を筋状に溝を掘ることができます。


マルチステッチンググルーバーの先端部分で溝を付けるタイプ

上の画像も先端部分ですが、こちらの部品は筋を付けるもので削るものではありません。

ザラザラした表面に見えますが、実際ザラザラしています。

ザラザラしていれば革を傷つけることができます。

ですが、なるべく革の銀面を傷つけたくない場合は円弧部分をお好みに合わせて研げばいいです。

私は1000番のダイヤモンド砥石で整えてました。


マルチステッチンググルーバーの使い方

つまようじの先にある部分がネジ式になっております。

緩めることでL字の金具をスライドし、3mm、4mmと好みの間隔を設定します。

あとは締め付けることで固定されます。


ステッチンググルーバーの使用方法

このように革のコバに沿う形でなぞれば一定の間隔で溝を掘ったり筋を付けることができます。


ステッチンググルーバーの研ぎ方

ステッチンググルーバーの穴が開いたタイプで革の銀面を溝状に切る場合、刃が付いていないとうまく切れません。

まずはステッチンググルーバーの穴が開いた部分を砥ぎます。

穴の直径は0.8mm位です。

刃が付いていないと綺麗に溝が彫れません

ステッチンググルーバーがすぐに目詰まりして切れないので、ただなぞるだけになってしまいます。

当初はステッチンググルーバーの砥ぎ方が判りませんでした。

そのため、砥げないと思っていましたが色々考えた結果砥ぐことができました。

「目詰まりする」「切れない」という場合は一度試してみてください。


外側を砥ぐ

マルチステッチンググルーバーの先端部分

ステッチンググルーバーの先端部分で、テーパー状の部分を革砥でなぞります。


ステッチンググルーバーをなぞる方向に注意してください。

穴の中に革砥がどんどん入っていく場合はなぞる方向が逆です。

これだけでも切れるようになると思いますが、バリがある場合は穴の中も砥ぎます。


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ステッチンググルーバーの穴をバリを取る

方法は簡単で糸に青棒を付けて穴を通すだけでバリが取れます。


革砥にオイルを付けて青棒を擦りますとドロドロになります。

あとは革砥と青棒の間に糸を置いて引っ張るだけです。

それだけで糸に青棒が付きます。

糸は今回ビニモ MBTを使いました。

糸が解れる場合は糸の端を蝋で数回擦れば解れにくくなります。


ステッチンググルーバーの穴に後ろから糸を通します


そして糸を引っ張ります

画像のように端材の革をステッチンググルーバーと指の間に挟み、糸を引っ張ると指が汚れないのとケガを防げます。

ステッチンググルーバーの先端部分が砥げるように糸を色々な方向に傾けて引っ張ります。

糸の角度をつけすぎないように注意てください。


ステッチンググルーバーが切れるようになったか試し切り

一通りステッチンググルーバーを砥げたら端材の革で試し切りをします。


ステッチンググルーバーは、なかなか切れないし、すぐに目詰まりしていたのでほぼ使用していませんでした。

砥いだ後はスルッと切れるようになりました。

ステッチンググルーバーの目詰まりも無くなり、「こんなに切れるんだ」というくらい気持ちよく切れるようになりました。

ステッチンググルーバーを使って目詰まりするようになったり、切れなくなってきたらお試しください。


まとめ

革の銀面を溝を掘って糸を沈めるという使用方法でしたらステッチンググルーバーしかできません。

それ以外の使用方法ですと、マルチステッチンググルーバーではなくデバイザーで代用は出来ます。

他の代用出来る道具があればマルチステッチンググルーバーは必要ないとも言えます。


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