はじめに
レザークラフトを知ったばかりの方や、初心者の方は
「革包丁ってなに?」
「包丁で革を切るの?」
「カッターではダメなの?」
「どうやって使うの?」
といった疑問もあると思います。
レザークラフトでは革包丁が無いと始まりません。
革包丁は「革を切る」ことに特化していますので持っておきたい道具です。
このページでは革包丁について、ざっくりとですが基本的な部分を説明します。
革包丁はそのままの意味で、革を切る道具ですが革を漉くこともできる道具です。
「革を漉く」というのは、革の「床」と言われる裏側を切ることで革の厚みを薄くする作業のことです。
革包丁を使って革を漉くことで作品の見た目が良くなったり、作業が楽になるため作品によって漉く作業は必要になる場合があります。
また、革を切るのに革包丁だけでなくカッターや革用ハサミでも良いと思います。
型紙という作品の設計図に従って正確に革を切る時にも革包丁は使用できます。
レザークラフトでは革包丁は定番の道具となりますので、まずはどんな道具なのか紹介します。
革包丁の使い方や砥ぎ方、革の切り方などまとめたページを用意しています。
革包丁とは
革を切る専用の刃物を革包丁と呼びます。
柄の部分は、刃物部分の中央よりずらしたところに取り付けられているのが特徴です。
刃の幅に違いがあり、広いタイプ、狭いタイプとあります。
刃先は平たんなタイプ、斜めのタイプ、円弧タイプとあります。
また、あまり見かけませんが左利きの方用の革包丁もあります。
平坦なタイプは万能タイプで、斜めのタイプはカーブを切るのに適しており、円弧タイプは革漉きがしやすいそうです。
現在は平たんなタイプしか所有していませんので、他の形状を購入したらレビューしたいと思います。
革包丁の特徴
メインで使用している革包丁
革包丁は片面は平で反対側は角度が付いた、いわゆる片刃の刃物となります。
刃の斜めになっている部分は「しのぎ面」と言います。
現在私が所有している革包丁は2本で、1本はセット品を購入したときについてきた安価なタイプで、もう1本は刃物屋さんで購入した鋼が使用されたタイプです。
私が持っている鋼タイプは刃の幅が約43mmあり、購入時に店員さんが「そのサイズが良く売れていますよ~」という言葉を信じて購入しました。
使いやすいサイズではありますが、私の手には35mm前後のサイズが馴染むようです。
扱いやすさを考えると幅は30mm~35mm程度がおすすめのサイズです。
革包丁の刃を砥ぐときは広い面を一定の角度で砥ぎますので、一定の角度で砥げているかいないかが判りやすいです。
判断の仕方は簡単で真っすぐなものを写してみた時に歪んでいれば真っすぐではないということで、砥ぐ修行が足りていないことになります。
革を切る時は革に刃のしのぎ面が垂直に立っているか確認しやすく直線に切るのが得意な刃物です。
カーブについては外カーブはまだ良いですが、内カーブは刃の厚みがあるので切りにくくなります。
革を漉く時は刃の角度を把握しやすいので漉きやすいです。
鋼が使われた革包丁
こちらは鋼が使われた 革包丁 です。
幅は約43mmありますが、私の手には太すぎたようです。
裏側に鋼が使われています。
斜めになっているしのぎ面に刃が付いています。
刃先の色が違う部分は研いだ角度が違うのではなく鋼の部分のため刃文のように色が違っています。
安価な革包丁
こちらが安価な 革包丁 です。
刃の幅は35mmあります。
刃先は判りにくいですが、2段階になっていて全体的に薄く作られています。
刃を砥ぐときは少ない面積を砥ぐだけなので砥ぎやすく、刃が欠けた場合も修正しやすいので扱いやすいです。
革を切る時は、刃が薄い分抵抗が少なく曲線は切りやすいです。
革を漉く時は刃の角度が判りにくいためある程度慣れが必要です。
革包丁の使い方
基本的な柄の握り方
柄が少し長いので扱いにくいですが、基本的に革包丁はこのようにして持ちます。
小指で刃を固定し、親指は人差し指の方向に押し、親指と小指以外は軽く握り、握り具合でカーブを切る時に調整し、手首の返しで刃を立てる角度を調整します。
こちらは鋼を使ったタイプで、柄が長く感じたため少し削ってあります。
柄を削ったことにより、親指で刃を押さえやすくしています。
文字では難しく感じますが、慣れればどうということはありません。
親指の使い方
人差し指の方向に押す場合、刃先の角に力を入れることができます。
小指が支点、親指が力点、刃先が作用点といったところでしょうか。
主にカーブを切る時には親指を押して切ります。
直線は可能な限り刃先と革が平面になる様にして切りますので、親指は柄を上部から下に押さえるように力を入れて切っています。
1度で革を切りきろうと思ったら、切り残しが無いように革包丁はしっかりと下敷きに押さえつける必要がありますので、親指を上から押さえてあげたほうが効率が良いです。
また、親指を上から押さえない握り方だと握る位置が下にずれやすく小指が刃に当たって小指が痛くなります。
小指の使い方
握り方についてはいろいろなサイトを見ていると握り方の解説がバラバラなようで、小指を刃の部分で握るか柄を握るか解説されています。
どちらも正解かと思いますが、革を切る時には「刃の角度が安定して」「しっかり革を切る」という点で考えると、私の場合は小指は刃の部分で握った方が直線と曲線は安定して切ることができますので、小指は刃を握ることをおすすめします。
手首の使い方
革を切る時に手首の角度によって革の切り方があります。
上の画像は直線に革を切る時の手首の角度。
上の画像は曲線を切る時の手首の角度。
手首が自然な状態であれば直線が切りやすいです。
そして手首を曲げると刃を立てて革を切ることになり、曲線を切りやすくなります。
手首の角度が違うだけですが、革もずいぶん切りやすくなります。
革を切る時の刃の角度
左側に使用する革がある前提で解説します。
革包丁は片刃なので、刃物を立てる角度は「しのぎ面」という部分が垂直になる様にして切ります。
このようにしないと、使用する革の断面が垂直になりません。
このようにしのぎ面が斜めになった切り方は、切断面が斜めになる切り方となりますので、切断後の革のサイズに誤差が出てしまいます。
刃を砥ぐときの角度
革包丁の角度はGoogle先生によると10°~20°とあります。
私は17°を意識して研いでいます。
角度が小さいと刃先が鋭利になるので、より切れやすくなりますが、刃が欠けやすくなるため気を付けて使用する必要があります。
逆に角度が大きいと刃は欠けにくくなりますが、切りにくくなります。
革包丁 に鋼が使われていれば強度も違ってくるので一概に言えない部分もありますが、私の場合はGoogle先生の言う10°~20°の中間プラス少し強度を持たせた17°を意識して砥いでいます。
刃物を砥ぐのは慣れるまでかなり難しいので、簡単に一定の角度で砥ぐ道具を紹介します。
こちらのページで詳しくレビューしていますのでご覧ください。
良い革包丁の選び方
自分に合った革包丁の刃の幅を知る
刃の幅が自分に合っている、扱いやすい幅を知る簡単な方法は定規を握ることです。
試しに革包丁のつもりで定規を握ってみましょう。
それだけでも自分の手に馴染む革包丁の幅がどれくらいかなんとなく判ると思います。
柄の部分
次に柄の部分ですが、だいたい大きいので使いにくいと感じることもあります。
柄の太さと長さが大きいのは「自分に合うように削ってね!」という意味で作られていると私は思っています。
手の大きさは人それぞれなので、万人に合うような柄のサイズはありません。
また、柄のオーダーメイドは高額になります。
私は実際に刃物屋さんに行きましたが、柄はどれも同じで刃の幅が違うだけで種類もありませんでした。
そのため、手の大きい人用、小さい人用と見つかれば良いのですが自分の手に馴染むように削って調整するのが一番いいと思います。
先ほど柄を少し削ってみました。
親指をもう少し押さえやすくしてあります。
直線を切る時より曲線を切る時の手首の角度の方が親指に力を入れやすくなりました。
しばらく使ってみてから、良さそうであれば親指の指先部分を少し平面にしてみようかと思っています。
あとは革包丁の刃を守るためにも包丁ケースを作るとレザークラフトの良い練習にもなるのでおすすめです。
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